「麻」にも色々あるけれど
いまや総称の「麻」と呼ぶことが一般的となっていますが、身近に取り扱われる「麻」の原料となる植物は見た目もそれぞれ異なり、繊維の性質によって用途もさまざまです。
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代表的な「麻」の名称 / 種別 / 繊維短長 太さ / 用途
【靭皮繊維】
亜麻(あま)… リネン / 亜麻科 / 20~30mm 13~31μm / 衣料・寝装・資材
苧麻(ちょま)…ラミー / 葦麻(いらくさ)科 / 20~200mm 42~66μm / 衣類・寝装・資材
黄麻(こうま)…ジュート / 田麻(しなのき)科 / 1~4mm 15~25μm / 麻袋・紐・カーペット基布・ヘッシャンクロス
洋麻(ようま)…ケナフ / 綿葵(あおい)科 / 2~6mm / ひも・パルプ代用・壁材
大麻(たいま)…ヘンプ / アサ科(かつては桑科)/ 5~53mm 10~50μm / ロープ・衣料
【葉脈繊維】
マニラ麻 …アバカ / 芭蕉科 / 3~10mm 10~20μm / 衣料・寝装・資材
サイザル麻…サイザル / 石蒜(せきさん)科 / 3~10mm 10~20μm / 衣料・寝装・資材
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出典:日本麻紡績協会 https://asabo.jp/knowledge/
日本でのヘンプ(大麻)の歴史は古く、約16,000~12,000年前の縄文時代の貝塚(福井県)などからヘンプ繊維の遺物(縄)が出土しているそうで、約3,000年前に稲作が伝わったとされる説と比べても、暮らしとともにあった時間の長さが分かります。この歴史のなかで農作物としてだけでなく、神道においては祓い清めの祭祀道具や衣として「大麻」が多岐にわたって使用されていることも、覚えておきたいお話ですね。